苦雪難行
Feb/13/2014

 積もった雪が、溶けつつある。この間まで一面を覆っていた白銀の氷晶は、今や道の端に押し込められて黒く淀み、排ガスを一身に引き受けている。無秩序に寄せられた雪は、ただの水の塊としてではなく、そこに存在し、僕らの通行を邪魔する遮蔽物として、厳然と立ち並ぶ。

 憎むべきことに、軽蔑すべきことに、最寄りの駅までの道はタイル張りになっている。そのタイルの上に積もった雪は、凍り付けば剥がれにくく、溶けても滑りやすいという地獄の二重苦仕様であり、何故市がここをタイル張りにしようと思ったのか僕には全く理解できない。おそらく銭湯上がりのオッサンが風呂場と勘違いしたのであろうが、それにしてもひどい話である。もう、僕が変えるしかないようだ。変えてやる、こんな世界。行き場のない怒りを抱えながら、僕は駅に向かう。人間、多少表裏があるくらいが丁度いいのだ。多分。

 ところで雪が所々黄色くなっているのはレモンシロップをかけて誰かが食べたからかな?おちゃめな人ですね!

将軍名歌
Feb/12/2014

 僕は、とんでもないことに気づいてしまったのかもしれない。もちろん、まだわからない。確証は持てないし、はっきりとは言えない。でも。それでも。

 マツケンサンバって名曲じゃね?
shogun

 いやネタ曲みたいな空気あるけど、これ結構いい曲なんじゃない?

アンドロイドマツケンサンバ

とかかなり良くない?というか正直PVでちょっと泣きそうになったわ。と思ってググったらこれIIが作られたの1994年なのかよ…。ビックリだよ!!!!!!!つい最近IV出たのかよ!!!!!!!!ちなみにIIもとってもいいんだけどおすすめはアンドロイドマツケンサンバ。ライダー好きとしては「手をつなごう~マツケン×仮面ライダーサンバ~」も推したい。いやマジで、本気でちょっとびっくりしてます。

 

 とにかく、マツケンサンバの良さを教えるスレを立てた昨日の>>1には感謝をしなくてはならない。なんといっても、こんな名曲に出会えたのだから。

 ちなみにWikipedia読んでたら

タイトルが「サンバ」でありながら音楽的には歌謡曲であったり、『II』の歌い出しが「叩けボンゴ」(サンバでボンゴは使用されない)であったりと、正統的なサンバとして作られた曲ではない。
すごい笑った。(サンバでボンゴは使用されない)って。

剃毛大毛
Feb/11/2014

 腋毛を剃った。僕は非常に毛が濃い。ともすると「えっ…?アウストラロピテクス・アファレンシス…?類人猿の方かな?」と聞かれてしまう。その類に漏れず、腋毛も愛・地球博が開催できるレベルになっていた。このままのペースで森林化が進むと、数年後には腋毛が本体になる。そう思い、仕方なくカミソリを手に取った。森林伐採、Deforestationである。僕は、環境を破壊するんだ。これが現代人の、生き様。

 石鹸を両脇に塗りたくる。尋常ではない泡立ち。髪の毛で石鹸を泡立てるとよく泡立つが、同じことだろう。カミソリの刃を濡らし、脇に当てる。僕は生まれてこの方腋毛を剃ったことがない。だから、どんな姿勢で剃ればいいのかわからない。わからないなりに、やってみる。

 両脇にモリゾーとキッコロを飼っている人間なら分かってもらえると思うが、全然刃が立たない。歯が立たない。1ストロークを1ジョリとするなら、2ジョリあるいは1.5ジョリ程度で刃が動かなくなる。慌てて刃の部分を見ると、黒くねじれた毛が絡みついていた。洗い流す。複雑な三枚刃の間に入り込んだ似非陰毛は、中々取れない。森林を切り倒す業は、深いようだ。

 それでもたっぷりと時間をかけて、なんとか剃り終えた。泡で隠れてよく分からないが、僕の腋も多少は文明人らしくなったのではないだろうか。そう思い、泡を流す。現れる、腋。現れる、変わらない自然。僕の腋には、失われた森林がある。全然剃りきれてませんでした。

燭罪懲複
Feb/8/2014

 一人カラオケ、いわゆるヒトカラを体験してきた。こういうとまるで初めてのような口ぶりだが、割とよく行く。一人ならば歌おうが踊ろうがひたすらハウリングを起こす位置を探そうがある程度は自由だから、基本的に一人カラオケのほうが好きである。平日昼ならば上手く調整してフリータイム500円を切ることもできるので、財布にあまり負担がかからないのもいい。

 しかし、そんな楽しい時間に悲劇は起きた。それは全力で踊りながら歌っていた時だった。サビ。盛り上がる。手を、振り上げる。恐竜が踊っガチャン。不穏な音に、動きが止まる。流れ続ける音楽。恐竜までもが踊っているのに、僕は止まる。上を、見上げる。揺れる電灯。やってしまった。電灯に手を、ぶつけてしまった。幸いというべきか、破片の類は見られないから、きっと破損はしていないだろう。もともとついていたかは、定かではない。ただ、ぶつけてしまったのは事実だ。ぶつけたという事象は確定しているが、壊れているかどうか、即ち僕がぶつけたことによってその電灯が壊れているかどうかはわからない。つまり、壊したか、壊していないかが、重なり合っている。次に、この電灯が付けられるとき、その重なりあいは崩れ、真実が現れる。

 しかし、僕にそんな勇気はなかった。そのまま、支払いを済ませてしまった。許さないでくれ、罪を突きつけてくれ。愚かな僕を、目一杯殴ってくれ。