怒乃葡萄
Feb/11/2017

部屋にレーズンが落ちていた.

正確に言うと,レーズンかどうか定かでない.でも,小指の爪くらいの大きさで,茶色がかった黒色の物体が落ちていたので,レーズンだと確信した次第である.また,これは部屋の中の話で,「レーズンが普通な感じで室内に落ちている」というおおよそアブノーマルな状況に笑ってしまったのも事実である.

それはそれとして,本当にレーズンだろうか.上述の条件および,部屋に落ちているという状況を鑑みればこれはかなりの高確率でレーズンだと思われるが,あいにくとここ最近レーズンを口にした覚えがない.ここ数日腹具合が悪く,バカスカ屁が出るので控えていた.たとい食べていたとしてもそれは別の場所だし,今まで気づかないというのも妙な話だ.とはいえどう見てもレーズンだし,もしかしたら米粒のように肘やら背中やらトリッキーな位置に張り付いた挙句に落ちたものかもしれない.

何にせよ食べてみればわかる.つい最近掃除したばかりだし,食べられるものは食べておきたい.汚いと思う向きもあるだろうし,自分としても御免被りたい気持ちもある.それでも,わざわざカリフォルニアの太陽に育てられた葡萄を一粒とはいえ無下にするのもあんまりだ.

意を決して,つまんでみる.それほど硬くはない.ちょうどレーズンくらいの硬さである.安堵が広がる.持ち上げてよく見てみる.なんだか少し表面が滑らかすぎる気がしなくもないが,きっと気のせいだろう.

念のため臭いを嗅いでみる.くさい.

なんのことはない,ウンコだった.

部屋にウンコが落ちていた.