超酸母子/棚板を作る
May/27/2017

棚が欲しくなった.ので,作った.このハンドルさばきについてこられるか?

ここに至った経緯を説明しよう.まず,バンダイから次々と発売される小物に棚のキャパが屈した,というのがある.誤飲防止に幼児の喉より大きいアイテムを10個単位でバカスカ出すものだから,とにかくかさばる.形も不定で,また硬いのでなおさらである.あと,「屈した」ってめちゃくちゃちんちんに響くワードだからあまり乱用しないでほしい.

もうひとつ,『無』がある,というのも大きい.この『無』というのは,壁面とエアコン用に設置されたプラスチック製のダクトとの間に生じた30cmほどの隙間のことである.ダクトには6cm程度の奥行きがあり,以上の条件からこの手前に置かれている机が壁面ぴったりに設置できない.そこらのデッドスペースも裸足で逃げ出すどうしようもない空間になっている.

しからば棚を作ろう,というのがホモ・ファーベルたる人間の性で,これらを受けて作ったということになる.おいそこ!いっつも棚作ってんなみてえなこと言うんじゃねえ!!おい!!!!聞こえてんぞ!!!!!

さて,このように柱に挟まれた空間を棚とする手法には,代表的なものとして「幅ピッタリの木材をつかえることで棚板とする」という方法がある.これは非常に簡便で大掛かりな作業が必要なく,また壁を傷つけにくい方法として大変重宝されているように思う(実際そうかはしらない).ところがこの手法にも欠点はあり,すぐに挙げられるものだけでも

・突っ張るためには双方がたわまない(柱や梁,それに準ずるもの)必要がある
・マイクロメートルオーダの加工が求められる
・壁紙が貼られている壁面に対して傷をつけるリスクが大きい

などがある.今回のような場所では,柱のうち一本がプラスチック製,もう一方は壁紙,そもそも鋸引きが下手,となっており,つまるところ相性最悪の方法となっている.したがって,これを解決しないことには作業が前に進まない.

ところで,この世にはひっつき虫なるものが存在している.草原を歩くと服にへばりついている植物,ではなくコクヨが出しているすげえ練り消しのようなもので,もうちょっと言葉を尽くして説明すると練り消し状の接着剤である.自分はこれを信仰レベルに信用していて,食糧問題を筆頭とした世界の諸問題のうち率にして2%程度はこのひっつき虫で解決できると思っているが,まあそれはそれとして,今回の工作においてこれは極めて有効な手段ではないか,という話をしたい.

と言っても方法は極めて単純で,概ね隙間の幅サイズに切り出した木材の両側面にひっつき虫をつけましょう,というだけのことである.これにより,上述した問題に対して

・たわんでもある程度なら粘着性によって保持できる
・数mmくらいまでならひっつき虫で補填できる
・壁紙に直接木材のエッジが触れない
・横滑りに対して強さを持つので滑り落ちることが減る

などの解決が図られるとの目論見となっている.以上,前置きであった.以降作業の様子となる.

どのような方法であれ,それには木材が必要となる.今回は近所の100円均一ショップにて木材が売られている様子を発見したため,これを用いることとする.ハチャメチャにたわんでいたのでかなりゲンナリしたが,軽く加工も容易な桐ということで,やるな100均,ということを思った.しめて540円なので,まあなくはないかな,くらいのところだと思う.

棚板

どうでもいい話として,木材の切り出し方という問題がある.木材には色々なサイズがあり,そのなかから求めるサイズに最も近いものを選び目的の形状に切り出すというのが基本的な動きとなっている.この切り出し方には当然色々考えられて,取り分最大かつ余白最小となる最適解を見つけられるように努力するべきである.一方で,カットを手鋸などで行う場合,直線部分が木材の辺に相当するように切り出すとエネルギーが最小で済む,というまた別の条件がある.これらを総合的に鑑み,すべての条件を許容範囲内で満足するのがきっと上手なDIYなんだろうな,などと思っていたら普通に購入サイズを間違えた(2度100均に行くハメになった)ので,くだらないことを考えるのはやめたほうがいい.

結局目的の幅に切り出した木材を二等分するというところに落ち着いたので,切り出した様子がこちらである.

今回は普段使っているジグソー(バカみたいな見た目の電動ノコギリ)を出すのがめんどくさかったので手鋸で切ってみたのだが,なんだか思ったよりよく切れてしまって,いままでの苦労は……?ということを思った.きっと策士策に溺れるとはこういうことを言うのだろう.言うのだろうか.

切り出したものを一度隙間にはめてみたのだが,なんというか,

棚仮置き

おもってたのとちがう…….

これではテキストにならない,どうにか落ち着くところへ落ち着けなくてはならない.そこでなさけない木材の色に着目し,急遽着色を行うことにする.なお作業日の天気は元気な雨で,前髪がくるっくるになるレベルの湿度であったが,まあ些細な問題であろう.

着色にはアクリル絵の具を使用した.スプレーでもペンキでもなく絵の具なあたり,小学生かな?みたいな気持ちにならなくもないけれども,色が付けばオールオッケー,そういう強い気持ちで臨んでいく.ちなみに白色のアクリルガッシュはまあまあな値段(270円)して,それを惜しげもなくべちゃべちゃ使うとこころが死ぬことを発見した.

結局,思った以上のペースでギャンギャン減っていくのに心が耐えられなくなり,途中から水彩絵の具に切り替えることにした.この方針転換がどこまで悪影響をおよぼすか,という話はあるものの,表面処理をせずにアクリルガッシュをガッシュガッシュと(ここで爆笑)塗っている時点でもう詰みだから関係ないだろう,という判断である.水彩絵の具を使うのは実に5年ぶりくらいで,絞り出したらまずオレンジ色の液体が出てきたのでかなりびびった.

棚塗り

途中かなりの紆余曲折があったものの,なんとか塗り終えた.いろいろな意味でかなりギリギリだった.エアコンを除湿にしてみる.どこまで効果があるかわからないし,なにより540円の棚にそこまでするか,のような気持ちがムクムクと湧いてきたので,お茶漬けを作って食べた.最近紅しょうがを入れることにハマっているが,これを美味しいと思いながら食べているのか自分でもわからない.

以上,作業をした.完成図がこちらとなる.

棚

まあ,なんというか,飾るもののセンスだな,と思った.マジな話,ダクトに面取りがなされていることを考えず奥行きを測定したせいで棚板がツライチになっていなくてもやもやするとか,ひっつき虫が間を埋めるせいで水平取るのがすげえ大変とか,やっぱめんどくさくてもサンドペーパーくらいはかけたほういいなとか,そのような欠点が次々と目についてかなりウゥッとなるものの,まあとにかくできたのでよかったことにする.よかったか?わからない.将来に向けてゴミが増えたことは間違いない.

以上の工程を経て,材料費は540円で,作業時間は5時間程度となった.主に技量および知能の問題でいろいろな不都合が残る結果と相成り大変残念だが,正直この方法は結構「アリ」だなと個人的に思っているので,今後もデッドスペースを発見次第すかさず棚板をぶち込んでいきたい.また皆さんにおかれましても是非取り入れていただき,壁紙がはがれた,崩落した,などの苦情をコクヨに送りつけてほしい.これがホントの棚上げつってな!ガハハ!!